2011年12月12日月曜日

9.セール

セールについては素材から悩みました。
縫製は出来ないから布系はダメ。
プラ板の薄いヤツあるいは樹脂シートも考えましたが、重くなるのと値が張るのとで躊躇。
何かいいものは無いものかとホムセンをさまよってついに発見しました。

『プラスチック障子紙』

和紙を樹脂でコーティングしてあり、破れにくいのが身上の商品。 まさにうってつけ。
90cmx210cmで1,000円以下。セールとして使うのはせいぜい90cmx50cmなのでコストパフォーマンスも良好。

作製したのがこれ。(実は2枚目)
















こちらは1枚目 軽風用とでもしておきましょう。














作り方をば
















実際のヨットのキャットリグのようにセールをマストに被せてしまう構造にしました。
セールのラフ側を袋状にし、両面テープで留めます。そこにマストを通すと、何となくウィングセールっぽくなってますよね?
ピーク、タック、クルーに補強パッチ(百均のクリアファイル)をあててハト目処理。
バテンも百均の下敷きを適当に両面テープで固定。

素材のプラスチック障子紙は、巻き癖がついています。
逆に巻いて一晩置くと、そっちの癖がつきます。
アイロンなどはやめた方がいいです。コーティングの樹脂フィルムが剥がれました。
逆巻きで数時間置いて、後はバテンで矯正するくらいのつもりで十分だと思います。

8.セールサーボ

セールサーボは、結論から言えばHiTEC社のHS-815BBを採用しました。
動作速度と動作角とトルクとお値段から、現時点ではベストチョイスかと。

他の候補としては以下を考えました。
・TowerPro MG996R
  ○安くて速くてそこそこ高トルク ×動作角狭い
・Futaba S125
  古いセールサーボ 動作角は広いが、遅くて今や低トルク
  (これを持ってるってことが構想20年はガセじゃない証拠に…なりませんか)
・HiTEC HS-785HB
  ドラム式 ちょっと扱いがめんどい

ブームは目いっぱい出したいので、メインシートは長く繰り出したい。ということは動作角×アーム(サーボホーン)長で稼ぐか、テークルを組んで倍掛けするか…といろいろ考えました。
やり方はいろいろありますが、あまり凝りすぎるとトラブルの元になるので、一番単純な構造が出来るHS-815BBを採用した次第です。


走らせた感想ですが、いい選択だったと思います。
そこそこ大きなセールですが、強風下でもきっちり引き込めたし、ブローに対しても反応の遅さの大半は人間のせいだと言えるくらいに早かったです。
ただ、でかい…

2011年11月27日日曜日

7.ブーム

ブームは外形8mm、内径7mmのアルミパイプの両端にM4の高ナットを挿入しエポキシで固めて京商のボールエンドをM4の寸切で取り付けました。
ずばり、ここもオーバークオリティですね。




メインシートの取り回し
至極単純な取り回しです。
サーボホーンもセットに付いていた小さい方で事足りています。
メインシートを目いっぱい緩めるとブームがサイドステーにあたり、引き込むとブームがちょっと下がりメインセールのリーチにテンションがかけられます。

海外のモノをみると、ブームがあまり出せないようになってます。メインを緩めるとリーチのテンションが緩みリーチが目いっぱい開き、その状態でクォーターリー~ランニングを走っています。
それでも十分なのでしょうが、ちょっとこだわってきっちりブームを出せるようにしました。バングも検討中です。(メカボックスが邪魔だ…)
 
写真にはありませんが、ブームとブロックの間にスナップを付けました。
分解時には、ブームはマスト&セールとセットになります。

















メインブロック
HARKENという実際のヨット部品のブランド品です。小さいのですがこれでもベアリング仕様で非常に軽く回ります。ラジコンの送受信機を除いて、一番単価が高いのではないだろうか?
オーバークオリティの極みですね。
ブロックを取り付けているアイを90°向きを変えて、直接アイを通すようにしてもぜんぜんいけると思います。

2011年11月23日水曜日

6.マスト

ここも思案の為所です。

まず考えるのは、曲がるマストか曲がらないマストか?です。
結論から言えば曲がらないマストを採用しました。

私なりの考察 『曲がるマスト』
曲がる利点は、セールシェイプを作りやすいことと考える。
(そのためにはセールもきちんと作りこまれている必要がある。)
曲げ具合によってドラフト量を調整し、またブローなどに対して適度にサイドベンドさせてうまく逃がすようなチューニングを施すことが可能なのが利点である。
 はたして、そこまできちんとセールを作りこめるのか? 高々1m弱のマストにそのようなチューニングが可能か??
CLASS3ぐらいになればやりがいもあろうが、CLASS1の短いマストではチューニングは難しいと考えました。
参考までに、大きな釣り具店にてグラスファイバーのテーパー付き中実ロッドが売られています。自作釣り竿の素材で、2m以上あって、1万円前後でした。カーボンもあります。

私なりの考察 『曲がらないマスト』
曲がらない利点は、製作面でのメリット。素材の入手も容易。
また、ウィングセールっぽいものを狙いたかったので、しっかりと径があってまっすぐのマストにしました。



外径10mmのアルミパイプにて製作。
マストは5°後傾。見た目で決定。
ブームも5°跳ね上げ。ブームを引き込んだ時にアウトホール(メインのタック)を後ろへ引っ張りたかったので跳ね上げた。数字はマストの後傾角度に合わせた。

マストステップとグースネック。
ラジコンの部品を多用しました。あり合わせの部品にしては上出来。
アルミ丸パイプとL字アングルはホームセンターにて購入。
その他はラジコン部品。
一番下のマストステップはタミヤのRCのストック部品から。
マスト×ステップ、マスト×ブームの接合部(グースネック)は京商のボールエンド6.8mm。
ねじは一般だが、M3のナイロンナットなどラジコン屋で入手。

このままではマスト×ステップに余裕がありすぎてマストが回転してしまうので、回転止めを施す。
アルミ針金を細工して隙間に埋めました。


マストトップ。
パイプに上から刺さっているのは同じく京商のボールエンド6.8mmのオフセットタイプ。大きい穴はメンハリ用…要するにセールを吊っておくヒモかけの穴として使う。
その前の小さい穴はフォアステー用の穴。 
マストに直角に貫通しているのはサイドステー取り付け用兼ボールエンド固定ボルト。



マスト立てた状態
フォアステーとサイドステーの3点支持です。
(後ろ1本は撮影用にブームを吊っています。)


マストトップ
サイドステー用にマストタングを付けたが、オーバークオリティですね。
サイドステーは釣り糸の「Daiwa棚センサーブライトα 12号」を2重にして使用。
この糸はシリコンコーティングされていてとにかく滑る。
フォアステーは同じく釣り糸の「GALISイソハンター 40号」です。220lbの強度…100kg?!
扱いやすいのでサイドステーもフォアステーと同じものに交換予定。


フォアステー取り付け部
サイドステーは固定でフォアステーでテンション上げます。
バウのアイを通してフックに引っかけます。輪っかの結び目でテンションをかけるのですが、糸はどんどん伸びていく…
アイからフックの間でうまくテンショナーみたいなものを作れないか考察中です。


サイドステー取り付け部
釣りに使われるスナップを使用。荷重50kgまで耐えられるようです。
リアホイールはこのように取り付けています。

2011年11月19日土曜日

5.本体形状

これも悩みました。

案としては
・平板を水平に配置
・平板を垂直に配置
・アルミチャンネル材で構成
・アルミパイプ材で構成
等々考えられますが、まずは形として完成させることを優先して一番加工が容易な平板の水平配置案を採用しました。
決めてしまえばあとは勢い。加工が容易で形状が安定している桐の集成材で製作しました。

次作るならアルミチャンネル材を考えています。
ズバリ、見た目重視です。

4.後輪軸

後輪自体はホームセンターにあるL字アングルにホイールを締め上げて取り付け、それを角材に取り付けました。

問題はどこに配置するか?
Frホイールは間違いなく前端になるのだが、Rrホイールは後端が最適にあらず。

セールが発生する力の代表点をCE(Center of Efforts)、艇の回転中心をCLR(Center of Lateral Resistance)とする。これらは前後で一致させることが好ましい。
これの差は、艇自体が針路を変えてしまう力になってしまう。実際のヨットでは操船者が舵によって力を打ち消すために補正しロスが発生する。競技艇であればスピードダウンにつながる。
(豆知識 : ウィンドサーフィンはこれらを積極的にずらすことによって針路を変更する。マストを前に傾ければ風下へ、後ろへ傾ければ風上へ向かおうとする。)
よって後輪はCEの真下が好ましい。
…と結論付けました。  

 実際の配置は理想よりもやや後ろになってしまいました。(^^;
 

実際走らせるとFrホイールがやや風下へ流されている感じでした。
単純にFrホイールへの荷重が足りないだけかも知れません。

2011年11月18日金曜日

3.ステアリング

ここが一番の悩みどころ。
構想20年というのも、ここがうまく解決できなかったからと言っても過言ではない。
裏を返せばここが解決できたから製作に踏み切れたと言える。

きっかけは海外のサイト。
アルミ削り出しはコンセプトに外れるし、ラジコン飛行機のノーズギアにあるようなのもインラインスケートのホイールの保持はできそうにないし…
と、見つけたのが樹脂製のヒンジ。
日本では楽天のイーデンキさんで入手可能です。(ここを探し出すのにも時間がかかった(^^:)
私が選んだのはEMH4040SSという品番のもの。(別品番を3種ほど購入してたどりつく。)
金属ピンを樹脂で受けているので滑らかに動いてしかも遊びゼロ。取り付けもM4のネジで穴ピッチも20mmととても扱いやすい。用意したアングル材もM4用の穴が20mmピッチでした。

右前から

左前から
アームはアルミ板2mm厚の切り出しです。
片持ちで十分です。ヒンジの形状からもともと両持ちは不可能ですが…。
試作品の時は違うヒンジで両持ちでしたが、結構加工精度と組付け精度が必要だということがわかったので、片持ちにしました。

正面から

この写真が説明しやすいかな。
このヒンジは軸から取付け面までの寸法が12mm。
一方ホイールは厚み(ベアリングの面から面)が24mm。
センターぴったし。
ホイールとアームの間に0.5mmのスペーサ咬ませなければならないが、誤差範囲ということで。


左側面
ジオメトリの説明を。
キャスター角は55°これは海外のサイトの気に入ったモデルからのパクリ。
トレールは0。すなわちキングピンあるいはヒンジの軸の延長上にホイールの接地点があります。
これも海外のサイトからのパクリ。ステアするときの力が一番かからないです。(ジャイロ効果は除く)

本体への取付けは、2mm厚のステンレスアングル材を曲げて作りました。中心線をずらさずに曲げるのは結構大変でした。
これ、図らずもちょっとしたサスペンションにもなってます。

製作途中では、ステアリング部が解決出来てもうすっかり完成した気分になってました。

2011年11月17日木曜日

2.ホイール

ホイールは、インラインスケートのホイールを選択しました。
ベアリングでしっかりと保持できるのがよかったので。



ほかの選択肢としては、ラジコン飛行機に使われているスポンジタイヤなどがあります。


インラインスケートのホイールにも使用するベアリングに種類があって、608zzを使う物とマイクロベアリングと呼ばれる688zzを使う物があります。
これらのベアリングは、内径が8mmなんです。まぁスペーサを使えば6.3mmになるのですが、太い。
扱いやすくするために軸径は5mmとしたかったので、外形の互換性があるマイクロベアリングタイプのホイールを選択。ベアリングも688zzから625zzへ換装しました。
ホイールはこちらで… J-sk8
ベアリングはこちらで… monotaro

でもやはりベアリングスペーサは必要。内径5mmで長さ14mmとちょっと特殊なので、専門店で作ってもらいました。

ねじ、ネジ販売、樹脂ネジのウィルコ

このスペーサをかますことで、軸を締めあげてもホイールは軽く回転することができます。
この「締めあげる」のが大事です。

1.プロポ

Futabaの3PL-2.4Gにしました。
(割とFutaba派なのと、ラジコン屋で新古品で安かった。)
どうもスティックタイプは苦手で…


これをいきなり改造。
トリガーの中立を保つ部品を取っぱらいました。
(トリガー付近の部品がそれ。)
この状態ではトリガーはすこすこ。指で支持し続けるのも大変。
そこでトリガーと筐体の間にOリングをかませて適度な抵抗感を持たせました。
思い付きにしてはかなりいい出来です。

当然
ホイールはステアリング、トリガーはメイントリムに割り当てます。

サーボは
ステアリング : 安さと高トルクに定評のあるTowerPro MG996R
メイントリム : 高トルクと動作速度の速さと動作角の大きさでHiTEC HS-815BB
         ただしバカでかい。
         (もしかしたら上の996Rでもいけたかも…)

もっといい選択肢もあったかもしれないが、まずはこれで。

インデックス

RCランドヨットの製作ノウハウを部位ごとに紹介していきます。
このページはアジェンダ的な位置づけで…

1.プロポ
2.ホイール
3.ステアリング
4.後輪軸
5.本体形状
6.マスト
7.ブーム
8.セールサーボ
9.セール
10.強風対策

過不足あれば適当に加筆していきます。

完成形

初帆走の記念に


 
撮りっぱですが動画も

これの紹介をしていきます。

2011年11月15日火曜日

大きさ あるいは クラス

IRCSSA(International Radio Controlled Surface Sailing Association)によると、ランドヨットには以下の4つのクラスがあります。
CLASS1:長さ0.75m 高さ1.00m 幅0.50m
CLASS2:長さ1.00m 高さ1.50m 幅0.75m
CLASS3:長さ1.50m 高さ2.00m 幅1.00m
UNLIMITED CLASS:CLASS3の寸法を一つでも超えるもの。
ただし計測時はマスト、ブームがセンターライン上にあること。
(要するに縦横高さの寸法だけでクラス分けされており、セール面積などの規制はない。)


まぁせっかく作るなら国際ルールに則ったものを作ろうかと思う。
そこでCLASS1を選択することとした。扱いやすいし遊び易いし、材料調達も簡単そうだし。

RCランドヨット製作 コンセプト

製作にあたって、以下のコンセプトを掲げました。
・頑丈なこと 容易に壊れない程度に
・容易に入手可能な素材を用いる
  ズバリ言えば、ホームセンターやラジコン屋などで入手可能なものを使うこと
・加工は最小限 穴あけ、切断、曲げに抑える
  手持ちの工具類で加工できること 樹脂成型とか難しいのは無し
・リぺアビリティの確保 遊んでいて壊れてもすぐに直せること
・組み立て式とする まさか完成形では運べないので

RCランドヨット製作の経緯

ただ単純に作りたかっただけです。

学生時代には学連ヨット部である一方、趣味でラジコンに手を出していたこともあり、ずーっと構想だけはしていました。かれこれ20年近く?

最近ネット上のラジコンヨットの動画をたまたま見つけ、調べていくうちにヨーロッパの方が盛んだとわかりいろいろサイトを読み漁っていたらどーにも我慢できなくなり、製作に至りました。

ブログ立上げ

RCランドヨットの情報が少ない中、見よう見真似で製作しました。
せっかくなので得た情報を紹介します。
参考になれば幸いです。